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- 建物種別モデル事例（イベント・仮囲い） 「愛・地球博 バイオラングの世界」
愛地球博における世界最大規模の壁面緑化展示「バイオラング」が終了し、半年が経過しようとしています。このたび、愛・地球博バイオラング実行委員会より感謝状を頂きました。バイオラングでは、設置から運営、撤去まで、いろいろな思考錯誤が試され、日本の壁面緑化技術は飛躍的に向上したと思います。また初めて「壁面緑化」を見られた方も多く、「バイオラングのような壁面緑化をしたいのですが」というお問合せも多数いただくようになりました。コスト・デザイン・建物用途など、求められる緑の質は、１つ１つ異なります。皆様のご要望にお答えできるよう、私どもも壁面緑化技術の開発に努力して参りたいと思います。バイオラングの取り組みに興味のある方や、壁面緑化を実践してみたいという方は、ぜひお声を掛けて下さい！
「自然の叡智」をテーマに、いよいよ開幕した愛・地球博。会場では、最先端の科学技術とともに、日本らしい自然との関わり合いの方法が様々に提案されています。その１つが世界最大規模（約３,５００平方メートル）の緑化壁「バイオラング」です。
「バイオラング」は、バイオ（生物生命の）とラング（肺）という二つの言葉を掛け合わせた造語です。
植物の持つ光合成と呼吸の特性を活かし、水と光によって、健康的な空気の循環を創り出そうという壮大な取り組みです。地球温暖化が問題となっている昨今、コンクリートに囲まれた都市に残された「壁面」を緑で覆うことで、環境の改善や環境負荷の軽減を図ります。
「バイオラング」の目指すもの。それは失われつつある日本独自の「人と自然」の交流の多様さ、豊かさを再生することと伺いました。そして３列に分かれた巨大な壁面は、「里・庭」「野辺」「里山・奥山」といったテーマに合わせた植物が選ばれています。壁面緑化に良く使われるツル植物からバラ、アブラナ・パンジーといった彩りのある花、そしてオリーブ・りんご、いちごといった実のなる植物、なんとハスカップまで取り入れられています。その数、約２０万株。約２００種類の植物が導入されています。シンボルとなるタワーの上には「鎮守の森」も再現されていました。
そんな日本らしい風景の演出。それはバイオラングが、かつて風から住居を守るためにつくられた「高生垣」をモチーフにしているからだそうです。壁面緑化は、人間と自然の共生する日本ならではの技術なのかもしれません。
この「バイオラング」の緑化に関しては、（財）都市緑化技術開発機構がコーディネーターを務め、参加１８グループがそれぞれの技術を駆使して施工しています。システム化された壁面緑化技術は、この数年で飛躍的に技術開発が進んでいます。「バイオラング」では、そんな最先端の壁面緑化技術の数々を一度に見ることが出来ます。また「バイオラング」がどのような都市環境の改善効果を持っているのか、気象・熱・騒音防止・植物の生育など様々な測定が行われていました。その結果は、隣接の「水と緑のパビリオン」に設置されているモニターからリアルタイムに見ることができます。さながら、ここは巨大な実験場のようです。
「バイオラング」の魅力は、日中だけではありません。毎晩20時45分からは、自然と映像と自分が１体になれるような幻想的なショーイベント、「バイオラングシンフォニー〜環〜」が行われました。スクリーンに設置されている約６３０個のLEDの光と、日本古来の荘厳な山や大地を連想するような音楽、そして呼吸する緑の壁から放出されるミストによって、愛地球広場が包まれます。広場に座って、ひと時を自然に委ねると、歩き疲れた体が「ほわっと」癒されます！筆者も体感済みです。
愛・地球博「バイオラング」会場では、自然と共存する近未来都市の姿を気軽に体験できるよう、「バイオラング実行委員会」の方々が明るく親身に説明してくださいました。ありがとうございます。
東邦レオでは仮設機材の杉孝と共同で、「バイオラング」に参加しています。植物を植え込んだ３０ｃｍ角の緑化パネルユニットと仮設機材と組み合わせた壁面緑化システムで、設置と同時に緑を楽しめる ところが大きな特徴です。「バイオラング」では、スクリーン両脇や緑の回廊に設置されました。
